アクアリウム界で最もポピュラーなシュリンプと言えば、やはりヤマトヌマエビとミナミヌマエビでしょう。どちらも苔取り隊員として有名ですが、多くの方はヤマトヌマエビかミナミヌマエビのどちらかを飼育するという感じではないでしょうか。
私もヤマトヌマエビとミナミヌマエビの両方を飼育しています。しかし、良く考えてみると、今まで一つの水槽の中で混泳させたことはありませんでした。
というわけで、今日は
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは混泳できるのか!?
というテーマを取り上げてみたいと思います。個人的には、
- ヤマトヌマエビ:獰猛
- ミナミヌマエビ:温厚
というイメージがあるので、混泳は無理じゃないかと思っていました。実際のところはどうでしょうか?
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ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの混泳は可能!しかし・・・
前述しました通り、個人的にはミナミヌマエビよりヤマトヌマエビの方が強いイメージがありました。しかし、こちらの混泳水槽の映像を見てみると、そのイメージは勝手な妄想だったと気付かされます。
上の動画ではヤマトヌマエビがちょっかいを出してきたミナミヌマエビのことを完全に嫌がってますよね。数の問題もあるのかもしれませんが、大きな体のヤマトヌマエビに立ち向かっていくミナミヌマエビは凄いですね。
しかし、どうやらヤマトヌマエビ・ミナミヌマエビの性格はそれぞれに個体差があるようで必ずしも動画のようにミナミヌマエビの方が強いとは限りません。多くの場合は私のイメージ通り、力関係はヤマトヌマエビの方が優勢のようです。ヤマトヌマエビに限って言えば、肉食に近い雑食のようで、
なんていう話も聞きます。しかし、実際に生きているミナミヌマエビをヤマトヌマエビが襲うということは殆ど無いらしいのです。極稀に弱っているミナミヌマエビが襲われるという話もありますが、本当に稀なケースです。但し、稚エビは除きます。
では、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビを混泳させた場合にどのようなことが起こるのでしょうか?
ミナミヌマエビと言えば、淡水飼育で繁殖が容易ですよね。しかし、ヤマトヌマエビと混泳させることで、ミナミヌマエビが殖えることは殆どありません。予想通り、ヤマトヌマエビがミナミヌマエビの稚エビを捕食するからですね。

稚エビが育たないということは、つまりミナミヌマエビは少しずつ減少していくことになりますので、混泳は可能ですが繁殖を期待している方は対策が必要です。
その対策については後述するとして、ここで改めてヤマトヌマエビとミナミヌマエビの違いについて考えてみたいと思います。
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ヤマトヌマエビとミナミヌマエビ!飼育するならどっち?
簡単にヤマトヌマエビとミナミヌマエビの特徴を比べてみたいと思います。主な特徴を下の表にまとめてみました。
特徴 | ヤマトヌマエビ | ミナミヌマエビ |
体長 | オス3~4cm メス4~6cm |
2~3cm(小さい) |
寿命 | 2~3年 (上手く育てればもっと) |
約1年 |
水温 | 20~28度 | 10~28度 |
水質 | 中性~弱アルカリ性 | 20~28度 |
餌 | 雑食 | 雑食 |
繁殖 | 難しい | 容易 |
苔取り能力 | 優れている | 劣る |
その他 | 飛び出し注意 | 色が多彩 |
最も大きな違いは体長と繁殖、そして苔取り能力の違いではないでしょうか。ヤマトヌマエビの大きさはミナミヌマエビの2~3倍にもなり、かなり大きいイメージです。大きなものになると6cmくらいなので、混泳水槽の中でもかなり存在感があります。
繁殖に関しては、ヤマトヌマエビも水槽内で可能ですが、色々と大変なので私は挑戦したことがありません。ただ、抱卵についてはしばしば見掛けるので、いつか挑戦してみたいですね。
ミナミヌマエビの場合は本当に簡単に繁殖します。特に、ヒーターで加温している場合は1年中が繁殖期なので、殖やそうと思えばいくらでも・・・という感じでしょう。
そして、最も重要なのが苔取りの能力ではないでしょうか。個体差はありますが、やはりヤマトヌマエビの苔取り能力はかなり優れています。噂通りの働きっぷりなので、感心します。ミナミヌマエビも頑張る子は凄いのですが、平均すると能力は低いですね。
但し、苔取り能力が優れているということは、水草の食害も大きいということになりますので、その点は注意が必要になります。水草の食害についてはこちらの記事もご覧ください。
つまり、苔取り能力を期待するならヤマトヌマエビ、繁殖を楽しむならミナミヌマエビの飼育をおすすめします。
混泳すると、ミナミヌマエビの繁殖は期待できなくなりますが、抱卵個体を隔離するなどの方法で対処することもできますので、欲張りな人はどちらも可能です。
まとめ
今日はヤマトヌマエビとミナミヌマエビの混泳は可能なのかどうかということについて考えてみました。
見た目の大きさが大きく異なる二種類のエビ。巷の噂では、ヤマトヌマエビは大きくて獰猛だからミナミヌマエビと混泳するのは難しいのではないかという感じでした。
しかし、調べてみると混泳させているという方も意外と多く、特に問題はないというのが殆どの方の意見。一つだけ問題があるとすれば、ミナミヌマエビを繁殖させようと考えるには不向き。稚エビはヤマトヌマエビに捕食される為にミナミヌマエビの数は減少していくということです。
その対策としては、抱卵したミナミヌマエビを隔離して安全に孵化させるのが得策でしょう。そして、稚エビ達がある程度大きくなるまで隔離状態を保つ。そうすれば、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビを混泳させることは十分可能です。
但し、水草の食害については諦めるべきかもしれませんが・・・
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