水槽の水が酸性になっていて驚いたことはありませんか?職場の同僚marinさんが1年以上飼育している混泳水槽のミナミヌマエビが徐々に減ってきたということで水質を調べてみると、酸性に傾いているようなのです。
試験紙の色がpH6以下を示してるみたいだったんですよ。
そんな会話の後、ちょっと気になったので我が家の水槽も水質検査をしてみたところ、少し酸性に傾いているようでした。pH6.3~6.5くらいの間なので、ほぼ中性なのですが、初期の頃よりは明らかに酸性なんですよね。もしかして、水槽って徐々にpHが下がるものなのでしょうか?

というわけで、今日は
水槽のpHが下がる原因はコレだ!
というテーマを取り上げてみたいと思います。今まで気にしたことも無かった水槽のpHですが、どうやら生態を飼育している内に徐々に値は下がるようなのです。その原因について調べてみたので、どうぞご覧ください。
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水槽内の飼育水!pHが下がる原因はバクテリアの働きだった!
pHは中学校の理科で習ったと思いますが、私自身も忘れているのでおさらいしておきましょう。
pHというのは水素イオンの濃度を1~14の指数で表すものです。この指数が7(中性)より数字が低いと酸性、数字が多いとアルカリ性。つまり、水素イオン濃度が多いと酸性に、水素イオンが少ないとアルカリ性に傾きます。
pHが下がる原因としては、実はいくつかの要因が考えられます。例えばこちら。
- 使用する水のGH(総硬度)・kH(炭酸塩硬度)が3以下である
- 生体の糞が多い
- 残り餌がある
- 濾過装置が効率よく働いている
他にも色々と考えられるようです。GHとkHについては詳細を別記事に書きたいと思いますが、値が低いと酸性に傾き易いということで知られています。水換えの度にGH・kHの低い水を入れていた場合は酸性に傾く可能性が高いですね。
しかし、日本の水道水の場合はそれ程問題になることはないでしょう。
それよりも寧ろpHを下げる原因としては生物濾過が大きく関与しているものと思われます。勘違いしそうになるのですが、実は濾過がうまく働いていないというわけではなく、働いているからこそpHが下がるのです。ちょっとびっくりしませんか?
生物濾過の仕組みについては、こちらの記事で紹介していますので、参考に読んでみてください。
生物濾過ではアンモニアをバクテリアが亜硝酸に分解し、最終的に硝酸塩になります。アンモニアから亜硝酸に分解するのが好気性バクテリアのニトロソモナス。亜硝酸から硝酸塩に分解するのが好気性バクテリアのニトロバクターです。
アンモニア(NH3)はニトロソモナスによって亜硝酸イオン(NO2–)を生成します。化学式で書くと下のようになります。
ニトロソモナスによってアンモニアから亜硝酸に分解される際に水素イオンが生成されます。つまり、水素イオンが発生するので、pHは下がるというわけですね。
では、濾過が上手く働き、pHが下がった場合に、それを防ぐ方法はあるのでしょうか?
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pHを少しだけ上げる方法!これが手軽でおすすめ!
どうしてもpHが下がるということが気になって仕方がないということもあるでしょう。
pHを上げる手軽な方法としてはこちらの3つが考えられます。
- 低床にサンゴ砂を使用する
- 水槽内に貝殻(牡蠣殻やシジミ)を入れる
- pH調整剤を使用する
しかし、pH調整剤というものはできれば使用したくないという人も多いでしょう。私もその一人ですが、何だかわけのわからないものを入れるのは抵抗がありますよね。
実際はただの中和剤なので、水槽内に入れても特に問題ありません。但し、現在の状態で中和してpHを中性に戻したとしても、徐々にpHが下がることは容易に想像できるでしょう。
そこで、長期的にpHを上げる対策としてサンゴ砂や貝殻を入れるという方法をおすすめします。下のような商品も200~300円程度で販売されています。
特にグッピーや金魚などの中性~弱アルカリ性を好む生体は牡蠣殻を入れると調子が良くなるという報告も多いですね。例えばこちらの動画。
どうしてサンゴや貝殻を水槽内に入れるとpHが上がるのかと言うと、サンゴや貝殻に含まれるカルシウム成分が徐々に水に溶け、それによってアルカリ性に傾きます。
但し、いきなり大量に入れるのはpHショックを引き起こす可能性もあるので、使用する場合は少量を入れて様子を見ましょう。牡蠣殻などを入れる場合は濾過装置内に濾材として入れるのが良いでしょう。
ダイソーのアクアリウムコーナーにも牡蠣殻があるという情報も入手したのですが、近くのダイソー(そこそこ大きな店舗)には置いてありませんでした。そして、ホームセンターやペットショップにも置いてなかったので、最終手段の通販しかありませんでした。
まとめ
今日は水槽のpHが下がるということの原因について調べてみました。ちょっとまとめてみましょう。
水槽内の飼育水は長期間維持することで徐々にpHが下がる傾向にあります。その最も大きな原因が生物濾過です。生物濾過ではアンモニアを好気性バクテリアのニトロソモナス亜硝酸に分解します。その時に発生するのが水素イオン。
つまり、生物濾過が上手く働いている為に飼育水のpHが下がるということになります。ですから、定期的に低床の掃除や水換えが必要になってきます。水換えについてはこちらの記事も参考にどうぞ。
今回の場合、marinさんはpHが下がったということでかなり気にされていましたが、それ程気にする必要が無いと思います。水槽の調子が悪くなっているということでしたが、その原因はまた別の話でしょう。そうは言っても気になるようでしたので、サンゴ砂かカキ殻を水槽内に持ち込むことをお勧めしました。

珊瑚や貝殻はカルシウム成分が多い為、そのカルシウム成分が水槽内の飼育水に溶け込むことで、pHは徐々に上がっていくと思われます。しかし、急激なpHの変化というのは生態にとってはかなりの負担になるので、少しずつ様子を見ながら入れていくのが良いでしょう。
長いスパンで考えると、多少の変化で何か手を加えるというのはあまり良くないような気がしています。時と場合によるとは思いますが。
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